存在とは
例えば、よく遊んでいた友達が死ぬとする。
その時は悲しくて仕方なくて、その人のことばかり考える。五分に一回はその子が頭の中に出てくる。
時間が経つにつれ1時間、5時間、1日に一回とどんどん出現の頻度は少なくなる。
忘れることはないが思い出すことはほとんどなくなる。そして年をとっておじいさんになり、二度と思い出すことはなくなる。
そうなってしまうとそもそもその子が存在してたのかさえわからなくなる。
会うということは存在するという認識を頭に刷り込むことだ。でも離れていて合わない期間が増えると、考えない時がくる。そのときその人はこの世から存在してないのと同じになる。生きてても同じ世界にいるとわかっていてもその瞬間、おれの中から彼は存在しなくなる。死んでてもおれの頭の中にいる限り死んでない。本当に死ぬのは人の頭の中から無くなった時だ。存在さえもわからなくなった時だ。
おれという存在は自分が何かをすることによって認識して存在していることを理解する。もし肉体が無くなったとしても考えるということが出来ればおれはおれの中で生きてるし。
この世はそんなもんなんかって思ってしまう。リアルもファクトもイデアもないただの妄想だ。妄想で出来た世界なんだ。